Mika’s Journal

ミカの手帳

Mika’s Journal

転職のオファーが来た。条件もよかったし、やりたい仕事に近かった。なのに返事の期限まで、ずっと決められなかった。失敗したら、今の場所を離れたら、慣れた環境がなくなったら。考えれば考えるほど動けなくなって、気づいたら期限が過ぎていた。自分で選ばなかったのか、選べなかっただけなのか。その違いが、ずっと引っかかっている。

半年かけたプロジェクトが終わった。クライアントにも上司にも褒められた。翌日、何も予定のない午前中があった。達成感より先に、落ち着かなさが来た。何かしていないと、自分がどこにいるか分からなくなる感じ。終わったことより、次が決まっていないことの方が気になった。達成したかったのか、走り続けたかっただけなのか。自分でもよく分からない。

会議で意見がまとまらなくて、私が間に入って整えた。終わった後、みんなが「助かった」って言っていた。でも帰り道、自分が何を思っていたか思い出せなかった。一度も自分の意見を言わなかった。うまくやれたことと、何かを手放したこととが、同時にある気がする。うまくいくたびに、ちょっとずつ何かが減っている気がするのは、気のせいじゃないと思う。

仕事帰りに映画を観た。一人で。久しぶりに笑って、ちょっと泣いた。いい映画だった。翌朝、同僚に週末何してたか聞かれて、「一人で映画」って言うのを一瞬ためらった。なんで説明しなきゃいけない気がしたんだろう。楽しんでいたはずなのに、どこかで許可を求めていた気がする。楽しむことに理由がいるようになったのは、いつからだっけ。

残業が続いていた。ある朝、起き上がれなかった。それでも大丈夫だと思って出社した。同僚に心配されても平気ですと返した。限界がどこにあるのか、自分でも分からなくなっていた。体が先に答えを出していたのに、頭がまだ否定していた。自分を後回しにすることが、いつの間にか普通になっていた。

好きな人ができたかもしれない。会うと楽しいし、話も弾む。なのに帰り道になると、今日の自分は変じゃなかったかなって確認が始まる。相手のことより、相手の目に映る自分のことを考えている時間の方が長い。これって好きってことなのかな。ちゃんとして見られたいってことと、好きってことが、自分の中でまだごちゃごちゃになっている。

深夜、仕事の資料を閉じたら急に「何のために働いているんだろう」って思った。キャリアのため、生活のため、自分のため。答えは出てくるのに、どれもしっくりこない。翌朝になったら忙しさが戻ってきて、問いはどこかに消えた。消えたのか、見ないふりをしたのか。その問いは、また夜に戻ってくる。たぶんまた明日も。

昇格の話が正式に出た。上司に呼ばれて、来期からと言われた。うれしいのかどうか、正直よく分からなかった。家に帰ってから、なぜか過去の資料を引っ張り出して読み返していた。別に今日やらなくていいのに。準備しているつもりで、たぶん不安を埋めていただけだと思う。任されるたびに、ちゃんとしなきゃいけない基準だけが上がっていく。終わりがない気がする。